南千住のリバーハープタワー歯科(歯医者)です。一般、矯正、インプラント、歯周病治療、小児、予防等の歯科治療を行っています。

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歯科に関する豆知識

口の中のがんの話

2019.04.16

 表1
最近、テレビでよく見聞きする口腔がんのお話をしたいと思います。タレントの堀ちえみさんが舌がんで入院手術を受けられたことが連日報道されて話題となっていましたね。話題となるまでは、肺がんや肝臓がん、胃がん、大腸がんは聞いたことがあっても口の中のがんについてはあまり聞いたことがない方が多かったのではないでしょうか。さてこの舌がんを含めた口腔がんとはどんな病気なのでしょうか?
現在、日本人の2人に1人が「がん」を発症し、3人に1人が「がん」で亡くなります。日本ではその内、年間約15000人が舌がんを含めた口腔がん(咽頭がんを含む)を患うと言われています。ちなみに舌がんは口腔がんの約60%を占めています。
舌がんを含めた口腔がんは、早期に発見、治療を行えば大きく切除する必要がなく機能を失うことも、命を落とすこともありません。しかし発見が遅くなった進行がんは、大きく切除する必要があり、容貌が変わったり、味覚が失われ、咀嚼や発音、嚥下の機能が損なわれることでQOLが低下するばかりでなく、首のリンパ節に転移しさらには肺や肝臓、脳などの臓器に転移して命を失う危険性があります。また、日本では、口腔がん患者の死亡率は「46.1%」(表1)(出典:2013年国立がんセンター)米国では19.1%(出典:cancer statistics 2013)です。この違いは、口腔がんの認知度の違いもありますが、米国では国を挙げて口腔がんに対する早期発見、早期治療がなされていることが大きいと思われます。
このように早期発見が非常に重要なのは言うまでもありませんが、ここではご自宅でできる簡単なセルフチェックについてお伝えしましょう。
セルフチェック項目
□ 口の中の粘膜が赤くなっている部分がある。
□ 口の中の粘膜が白くなっている部分がある。
□ 口の中に「しこり」や「腫れ」など肥大した部分がある。
□ 口内炎が2週間たっても治らない。
□ 口の中から出血がある。
□ 入れ歯が痛みや腫れで合わなくなり、違和感がある。
□ 原因不明の歯のぐらつきが続いている。
□ 抜歯後なかなか治らない状態が続いている。
□ 頬や舌が動かしづらい。
□ しゃべりにくい。
□ 口の中に痛い部分がある。
□ 首の周りのリンパ節が腫れている。
□ 片方だけの鼻づまりが続いている。
以上これらの項目をチェックしていくのですがその際に気をつけることをお伝えします。
1,明るいライトの下で口の中を見る。
2,取り外し可能な義歯は外す。
3,内側と外側の歯肉を見て触ってみる。
4,頬を外側に引っ張って、内側の粘膜も同様に調べる。
5,頭を後ろに傾けて口蓋を調べる。
6,舌を出して表面と舌の横と裏側を調べる。
7,首と顎の下の腫れやこぶを触ってみる。
ご自分で気になる項目が少しでもあれば悩まず、まずは歯科医院を受診してみてください。何でもなければ安心できますし、たとえ「がん」だとしても早期発見ができると思います。
*口腔がんの原因
・喫煙、飲酒などの生活習慣 ・悪い歯並び ・合わない入れ歯 ・虫歯、歯周病、不適合な詰め物や被せ物 ・口内炎 ・舌小帯付着異常 ・アマルガム(むかしよく使われていた詰め物) ・HPV(ウイルス)、など。