南千住のリバーハープタワー歯科(歯医者)です。一般、矯正、インプラント、歯周病治療、小児、予防等の歯科治療を行っています。

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歯科に関する豆知識

歯磨き剤の成分と使い方のお話

2020.01.07

薬用成分の機能 成分名
う蝕予防 フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなど
歯肉炎予防 塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、トリクロサンなど
歯周炎予防 グリチルリチン酸、トラネキサム酸、ビタミンE、塩化ナトリウムなど
口臭予防 トリクロサン,銅クロフィンナトリウムなど
知覚過敏予防 乳酸アルミニウム、硝酸カリウムなど
タバコのヤニ除去 ポリエチレングリコールなど
歯石の沈着予防 ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム
プラークの分解 デキストラナーゼ

最近、歯磨き剤の種類がいろいろあってどれを選んでよいのか迷われる方も多いのではないかと思います。そこで、歯磨き成分にはそれぞれ期待する効果があり簡単にわかりますので参考になさって下さい。薬用成分の機能としては、う蝕予防、歯肉炎予防、歯周炎予防、口臭予防, 知覚過敏予防、ヤニ除去、歯石の沈着予防、プラークの分解などがあります。それぞれの機能に適した成分を上に挙げていますのでぜひ歯磨き剤のパッケージの裏をよく見て頂くとよいと思います。

次に、使い方の注意点についてお話しします。

1)初めて歯磨き剤を使用する場合

お子様の場合、3~4歳頃になると歯磨き剤を使い始めると思いますが、最初はフッ化物配合のマイルドな味の製品がよいでしょう。また、フォーム状の歯磨き剤はフッ素の分散性と保持が高いため、少量であっても短時間で効果が発揮されます。お子様の使用には適しているといえます。

また、お子様を寝かせて磨くときは、ブラッシング中に歯磨き剤を飲み込むことがありますので、二回にわけて磨くこと(ダブルブラッシング法)をお勧めします。1回目めは、歯磨き剤はつけずに汚れを除去することを目的に行い、2回目は、薬用成分が配合された歯磨き剤をつけますが、しっかり磨くというよりは、歯全体に歯磨き剤を行き渡らせるイメージでおこないます。その後ゆすいで終了となります。

2)フッ素など薬用成分の機能を期待する場合の歯磨剤量と洗口方法

歯磨剤中の薬用成分(フッ素)は、歯磨き中にも発揮されますが、歯磨き終了後にどれだけお口の中に保持されるかによって効果が違ってきます。方法としては、成人の場合、練り状のフッ素配合歯磨き剤を使用の場合、歯ブラシに半分程度をとって磨きます。終了したら25cc程度の水で約4秒間の洗口を3回程度行うことが再石灰化に有効とされています。こうすることで就寝中、唾液の分泌が少なくう蝕リスクが高い時に、起床までフッ素が保持されるためう蝕の予防に効果的です。

子どもの場合は、年齢にあった歯ブラシの半分程度を目安に行い、大人と同様に洗口します。ちなみにフォーム状の歯磨き剤の場合は、歯ブラシいっぱいにつけて行うとよいでしょう。それでも、歯磨き剤量としては練り状のものの半分の量になります。

 

3)研磨剤や発泡剤の機能を利用したい場合

研磨剤や発泡剤の機能は歯磨き中に発揮されるため、歯磨き終了後に多数回洗口しても効果に変わりはありません。また、研磨剤が入っていない歯磨き剤を使用していて色素の沈着が気になる方は、一週間に2~3回程度研磨剤入りの練り状歯磨き剤を使用されることをお勧めします。

 

4)薬用成分の機能を期待する場合のダブルブラッシング法

研磨剤や発泡剤は苦手という方や、年齢や障害などのため歯磨き終了後の洗口が十分に行えない方には、ダブルブラッシング法がお勧めです。

1回目は、歯ブラシだけで清掃を目的に行い、2回目は歯磨き剤をつけて磨くのですが、1回目で汚れは取れているので念入りに磨くというよりは歯面全体に行き渡らせるイメージでおこないます。次に洗口ですが、洗口が不十分であればフッ化物配合のフォーム状の歯磨き剤や薬用成分入りの洗口剤もお勧めです。これらの製品は、使用量が少なく研磨剤が配合されていないため、2回目磨き後の洗口をそれほど必要としません。

 

参考文献 プラークコントロールのためのホームケア指導

クインテッセンス出版