洗口剤の種類と使い方のお話
2020.03.04
みなさんは、歯磨きの時、歯磨き剤や洗口剤を使われていると思いますが、今回は洗口剤についてのお話をしたいと思います。
洗口剤は、ブラッシングを行う歯磨き剤と違い、口に含んで洗口して吐き出すだけで口臭を防いだりむし歯や歯周病を予防する役割があります。ただし、洗口剤だけで完全な予防は難しいので正しいブラッシングがメインであることもお忘れなく。
洗口剤の種類
洗口剤には、大きく分けて化粧品と医薬部外品に分類され、化粧品の洗口剤は口内の浄化と口臭を防ぐ効能のみであることに対して医薬部外品の方は、口内の浄化と口臭を防ぐことに加えて、むし歯の予防、歯垢沈着の予防、口臭の防止、口内を爽快にする、歯肉炎や歯周炎の予防といった効能が期待できます。
また、歯磨き剤と異なる点は、研磨剤、発泡剤、粘結剤が配合されていないことや水に溶けにくい香味剤や薬用成分を溶かすための溶剤としてエタノールを配合(0~30%)している物が多くあることです。このエタノールは独特の刺激があったりドライマウスの原因になったりするようです。刺激が苦手な方やドライマウスが心配な方はエタノール含有量が比較的少ないものを選ばれると良いでしょう。
下記に洗口剤の成分と薬用成分の効能について表に示します。成分を確認して購入されることをお勧めします。
分類 | 成分 | 使用濃度 |
水 | 精製水 | 70~90% |
溶剤 | エタノール | 0~30% |
湿潤剤 | グリセリン、ソルビトール | 5~15% |
界面活性剤 | ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油など | ~2.5% |
香味剤 | サッカリンナトリウム、ソルビトール、キシリトールなど | ~数% |
保存剤 | パラベン、安息香酸ナトリウムなど | ~1% |
pH調整剤 | リン酸塩、クエン酸塩 | 微量 |
着色剤 | 法定色素など | 微量 |
薬用成分 | 殺菌:塩化セチルピリジニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、トリクロサン、l-メントール、チモール、1.8-シネモール
消炎:銅クロロフィリンナトリウム、グリチルリチン酸ステアリル 出血防止:トラネキサム酸 血流改善:サリチル酸メチル |
適量 |
洗口剤の使い方
- 洗口剤だけでなくブラッシングは不可欠
洗口剤には、歯垢除去や歯石沈着防止、歯を白くする、ヤニを取るという効果はありません。ですので、正しい歯磨きを基本に、歯磨き後や歯磨きと歯磨きの間、または外出前に使用されるとよいでしょう。
- 洗口後はゆすがない
10~20mlを含んで20~30秒後吐き出し、ゆすぎません。
- 口臭予防を期待する場合
化粧品の洗口剤にも口臭予防の効果はありますが、香味剤が口腔粘膜や歯表面をカバーすることによるマスキング効果ですので、歯磨きと歯磨きの間、歯磨きが出来ないときに使用されるとよいでしょう。また、医薬部外品にはマスキング効果だけでなく薬効が期待できるものもあります。
- 歯周病予防を期待する場合
医薬部外品の洗口剤は、配合成分によって歯肉炎や歯周炎の予防効果があります。あくまで歯磨きがメインですが、歯磨きと歯磨きの間、または歯磨きが出来ない時に使用します。単にブクブクと洗口するだけでも効果的ですが毛先が細い歯ブラシに洗口剤を付けて歯周ポケット内部を磨いても効果的です。
- 子どもの場合
洗口して吐き出すことができれば、使用してもかまいませんがエタノール配合のものは気持ち悪くなる場合がありますので薄めて使うなどの注意が必要です。
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クインテッセンス出版