南千住のリバーハープタワー歯科(歯医者)です。一般、矯正、インプラント、歯周病治療、小児、予防等の歯科治療を行っています。

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歯科に関する豆知識

お口が何もしていない時は上下の歯は接触しないのがふつう?

2021.01.17

皆さんは、普段、何か手作業をしているとき、読書、家事などの作業時、または特になにもしていない時にお口のなかで、上下の歯が一カ所でも触っているところはないでしょうか?もし、そうであればそれはTCH(Tooth Contacting Habit)かもしれません。TCHとは、上下の歯を接触し続ける癖のことで、なにもしていないときは、ふつう上下の歯は接触していないのですが、口を閉じているときに上下の歯が触っている状態をいいます。歯の接触は噛んでいる時や飲み込む時、発音する時などに行われるのですが、大体接触している時間は正常ならば一日に20分程度です。また、TCHは自覚症状に乏しいため注意が必要です。

 

では、このTCHなにがよくないのでしょうか。上下の歯の接触は、一日20分程度など短時間ならば問題ないのですが、何時間も接触した状態が続くと筋肉や顎関節が徐々に疲労していき、さらに疲労が続けば顎関節や口の中の異常が起こってきます。

 

具体的には、下記のような症状が起こりえます。

 

顎関節の痛み・知覚過敏・根の治療中の痛み・原因不明の歯痛・歯周病の悪化・舌 頰粘膜を咬む・滑舌の悪さ・咬んだときの違和感・義歯が当たって痛い・舌が痛い・口内炎・歯の破折・被せ物の脱離etc.

 

TCHを止めるには

 

TCHは、自覚症状に乏しいためまずは気づくところからが始まりです。癖は無意識に行ってしまうことが多く他人に指摘されるまで気づかないこともあります。

 

方法としては、「歯を離す」といったメモを見える場所(ご自身が最低5分以上いる場所)に貼っておき、メモを見たときに上下の歯が接触していたら、鼻から息を吸いながら一度肩を大きく上げて、一気に口から息を吐いて力を抜きましょう。大切なのは、TCHを行っていた事に気づくことで、自分の行動を意図的にリセットし、気づきが大きいほど脳に記憶されやすくなっていきます。

 

最後に、ここまでのお話で誤解があるといけませんのでさらに付け加えますと、歯が接触すること自体が悪いわけではなく、食事時、会話、緊張時や重い物を持つ時、運動時などに歯の接触は起こります。このように短時間で持続性のない歯の接触は問題ないのですが、弱い力でも持続的に加わる場合は、力が蓄積され問題が起こります。

 

原因が分からない自覚症状は、もしかしたらTCHが関係しているかもしれません。

参考文献 クインテッセンス出版 歯科衛生士 January 2021 vol.45