妊娠中に歯科治療できますか?
2019.05.15
妊娠中の歯科治療は、歯石の除去や浅い虫歯の処置を除いては基本的に避けたほうが望ましいと思われます。しかし、どうしても痛みがある場合は、妊娠の時期によって対応が異なります。妊娠2~4か月は着床前のため流産を起こし易い時期でもあり、またつわりも生じやすいため一時的な処置にとどめます。妊娠5~7か月はいちおう安定している期間ですが、麻酔などの薬を使用しなくては痛みをとる処置ができないとき、処置の効果が為害作用を十分に超えると判断された場合のみ、この時期に処置を行います。妊娠8~10か月になりますと分娩が近くなっているため、軽度の刺激に対しても早産となることもあり、この時期も一時的な処置にとどめます。また、レントゲン検査は、防護エプロンを着用してもらい必要最小限の線量で撮影します。歯科でのレントゲン検査の線量は、胸部や腹部と比較して極少線量のためあまり神経質になる必要はありません。
妊娠中は、鎮痛剤などの薬が制限され歯科治療には望ましくない時期です。ですからこうならない為にも、妊娠前に一度検診を受け歯科治療を完全に終えられることをお勧めします。また、妊娠中は歯肉炎を起こし易いため、歯科医院での3か月に一度程度のメンテナンス(歯科クリーニング)もよいと思われます。