喫煙と歯周病の関係
2018.12.05
日本人の喫煙者率は、男性が43.3%、女性が12.0%で、特に男性は先進諸外国の中で最高値と言えます。さて、この「喫煙」、癌や心筋梗塞などあらゆる疾患を引き起こす誘因になっていることは、よく知られていると思います。では、喫煙は歯周病を悪くするのでしょうか?答えは「YES」です。喫煙が歯肉や歯を支えている骨へ及ぼす影響としては、末梢血管の収縮により血流の低下が起こり、免疫機能の障害が発現すること。また、歯周ポケットの酸素濃度が低下し、嫌気性菌と言われる酸素がないところで増殖する歯周病菌が多くなってくること。さらに、歯を支えている骨の破壊が促進され、歯周病の治療を行っても、創傷治癒不全のため骨軟組織とも回復が遅れることなどが挙げられます。このように、喫煙は全身疾患のみならず歯周病にも悪影響を及ぼします。歯周病は、放置すれば歯がぐらつき、やがては抜けてしまう病気です。さらに言えば喫煙によって歯周病が悪化することは、心筋梗塞や糖尿病などの全身疾患を間接的に引き起こすこともあります。なので喫煙は、人の食の楽しみを奪うだけでなく、人生の質をも悪くしてしまうかもしれません。
当院では、歯周病治療の際、禁煙を強くお勧めしています。喫煙される方は、歯周病治療とともに禁煙にトライしてみてはいかがでしょうか。