指しゃぶりとお口ポカンは要注意?!
2020.04.01
お子様で5歳、6歳になっても指しゃぶりをしていたり、お口がポカンと開いていたりしてはいませんか?その場合、お口の筋肉を十分に使えていないかもしれません。
まず、指しゃぶりは、3歳頃までは無理に止めさせる必要はありませんが、4歳頃を過ぎても行っている場合は注意が必要です。また、お口がポカンと開いている状態も直しておきたい癖の1つです。
指しゃぶりやお口ポカンが続くと、歯並びやかみ合わせに影響が出たり、上の歯と下の歯の間の開いたスペースを舌で埋めるように発音するためいわゆる舌足らずの発音にもなりやすいとも言えます。
歯の周りには、唇や頬、舌といったあらゆる筋肉がありそれらの筋肉のバランスで歯は並んでいます。そのため、指しゃぶりやお口ポカンなどの癖があるとこのバランスが崩れ歯並びに影響が出てくるわけです。
たとえば、指しゃぶりが続いた場合、上の歯や下の歯が前方に押されてしまいいわゆる出っ歯や反対咬合になってしまったり、上下の歯の間に舌を突き出す癖の場合は上下の歯が当たらない状態(開咬)になったりします。
前歯が空いてくると、口呼吸にもつながり、ますますお口ポカンが進んでしまいます。また、飲み込むときは舌が前に出て出っ歯がさらに悪化することもあります。そして、お口ポカンは、食事中クチャクチャと音を立ててしまったりしっかり咬まず飲み込むなど食べ方にも影響が出てきます。
また、本来の私たちの自然な呼吸の仕方は鼻呼吸ですが、お口ポカンは口呼吸になっている可能性があります。口呼吸は、本来鼻から入ってくる空気が口から入ってくるわけですから、乾燥した冷たい空気が直接、口や気道に入り込み、むし歯や歯肉炎、そして感染症にもなりやすくなるためこれも注意が必要です。
こういった食べる機能や話す機能が十分に発達しておらず、咀嚼や嚥下がうまく出来ない、また構音の異常、口呼吸などが認められる場合を「口腔機能発達不全症」といいます。
口腔機能発達不全症の対策
指しゃぶりやお口ポカンの癖があるお子様は、だいたいがお口の周りの筋肉を正しく使えていない状態であるため、お口の周りの筋肉を最も使う食事の時の環境を見直すこととお口の周りの筋肉を鍛えるための機能訓練が必要です。
食事環境の見直し
椅子に腰掛けた時、床に足が着いていない状態では、噛んだり飲み込んだりのとき力が入らないためお口の周りの筋肉が鍛えられず、発達しない可能性があります。椅子が高すぎて足が地に着いていない時は、100均の物でもよいので足が着くように踏み台を置くと良いでしょう。また、食事時は姿勢を良くし、テーブルとの距離は握り拳1つ分空けるのが良いでしょう。食事の時にテレビがついていると首をテレビのほうに向けてしまうことで、片側噛みになってしまいかみ合わせに影響する可能性もあります。こうした当たり前といえば当たり前のことをしっかり行うことは口腔機能発達不全症の対策として大切なことと言えます。
機能訓練
お口の機能をしっかりと使えるようになるためには、お口の周りの筋肉を鍛える必要があります。練習方法は下記の機能訓練の方法で紹介していますので行ってみてください。
参考文献 歯科衛生士 March 2020 vol.44 クインテッセンス出版