南千住のリバーハープタワー歯科(歯医者)です。一般、矯正、インプラント、歯周病治療、小児、予防等の歯科治療を行っています。

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歯科に関する豆知識

歯周病は糖尿病と大いに関係ある?!

2019.08.07

糖尿病と歯周病は、最近の研究で関係性があることが言われています。では、まずこの糖尿病、よく聞かれる言葉ですがはたしてどんな病気かお解りでしょうか?

私たちの体は約60兆個の細胞から出来ていると言われていますが、この一つ一つの細胞は、口から摂取する糖が血中に入った後、インスリンという体内物質によって細胞内に取り入れられて生命活動をしています。しかし、糖尿病になりますと、このインスリンの作用が何らかの原因によって不足することで慢性的な高血糖の状態となり、細胞内に糖が取り込まれなくなってしまいます。そのため、放置すると体内のあらゆる細胞がダメージを受け腎臓や神経、網膜、血管などに影響を及ぼしてしまい、腎症、神経症、網膜症、動脈硬化症などの合併症を引き起こします。また、歯肉も例外ではなく高血糖に伴う過剰な炎症反応、創傷治癒遅延などにより歯周病を進行させていきます。

一方、こうして進行した歯周病が、逆に炎症反応を惹起することで糖尿病に影響することが明らかになってきました。ここからは少し専門的になりますがご容赦下さい。肥満が糖尿病と関係あることはなんとなく知っている方はいらっしゃると思いますが、成熟脂肪細胞で産生される腫瘍壊死因子(TNF-α)は強力にインスリンの働きを阻害し、脂肪細胞からのインターロイキン6(IL-6)の産生を促進します。内臓脂肪で産生されたIL-6は門脈という血管を通して肝臓に流入し急性炎症マーカーのCRPの産生を促進します。ところが、肥満度がそれ程高くない糖尿病患者であっても重度の歯周病を併発した場合、歯周局所の炎症反応が脂肪組織に波及し全身性に炎症反応が惹起されCRPの血中濃度が上昇することがわかっています。

近年、日本人2型糖尿病患者を対象とした調査から、CRPが軽度に上昇した歯周病患者に対して局所抗菌療法を併用した歯周病治療によって、HbA1c(糖尿病の度合いを測る指標)が有意に改善することが示されました。つまり、歯周病は糖尿病を引き起こす原因のひとつであり、歯周病を改善することで糖尿病を改善し予防することが可能であると言えるでしょう。

実際、当院で診察させて頂いている患者さんの中で、歯周病が重度の方は糖尿病を併発している場合が多く見受けられます。

歯周病をしっかり治していくことは、全身の管理にもつながります。ぜひ、一度歯周病の検査を受けられることをお勧めします。

 

参考文献 ザ・ペリオドントロジー