義歯の安定剤について
2020.01.21
義歯安定剤とは、義歯がガタつく、当たって痛む、外れる、顎の粘膜とのすきまに食べ物が入る等の悩みがあるときに義歯の裏側に塗ったり貼ったりして安定させる製剤のことです。ドラッグストア、薬局、スーパーマーケット等で市販されています。TVのコマーシャルでも時々みかけますね。
義歯安定剤の分類について
義歯安定剤は、義歯を粘膜表面に粉末、クリーム、あるいはテープといった方法で、粘膜に“くっつける” 粘着作用で安定を図る「義歯粘着剤」と、義歯と粘膜の間の“隙間を埋める”密着作用で入れ歯安定を図る「ホームリライナー(クッションタイプ)」の2種類に大別することができます。
義歯粘着剤
(1)パウダータイプ
・ポリグリップパウダー無添加
・新ファストン
(2)クリームタイプ
・新ポリグリップS
・新ポリグリップ無添加
・新ポリグリップV
・コレクトクリーム
・タフグリップクリーム
・ピタッと快適ジェル
・デンチャーメイトC PRO
(3)テープまたはシートタイプ
・シーボンド
・タッチコレクトⅡ
ホームリライナー(クッションタイプ)
・タフグリップ
・クッションコレクト
・ポリデント入れ歯安定剤
・コレクトソフトA
・新ライオデント
義歯安定剤使用についての注意点
一般的に、義歯粘着剤は義歯と粘膜の隙間が小さな人向け、ホームリライナー(クッションタイプ)は義歯と粘膜の隙間が大きな人向けとされています。
ホームリライナー(クッションタイプ)は「義歯粘着剤」と違って、義歯と粘膜の間にできた比較的大きな空隙を埋めるためしっかりした製剤の厚みと物性があり、義歯に加わる圧力の緩和のため弾性があります。義歯安定剤は歯科医師のよってさまざまな意見や報告がありますが、ホームリライナー(クッションタイプ)が必要な状態であれば、歯科医院で義歯を診てもらったほうがいいかと思います。また、金属床の義歯にはホームリライナー(クッションタイプ)は使用できません。
義歯安定剤は何日も長期間使い続けることは避けてください。菌が繁殖して顎の粘膜に炎症等のトラブルを起こすことがあります。
また、就寝前に義歯を外して保管するときは、義歯安定剤を義歯ブラシを使用して義歯がツルツルになるまで洗って、しっかりと義歯安定剤を取り除いてください。
基本的に、義歯安定剤は歯科医院に行けないときの応急的な対処として使用する、もしくは歯科医院で使うよう指導された場合に使用してください。義歯で何か困ったことがあれば、早めに歯科医院で相談することが一番です。