義歯(入れ歯)の清掃について
2020.02.18
義歯(入れ歯)は毎食後に清掃しましょう。入れ歯にも歯と同じように食べかすや歯垢がつきます。食器を毎食後洗うように、義歯もしっかり洗いましょう。
義歯についた食べかすや歯垢を放置すると、細菌が繁殖し、口臭や口内炎の原因となります。食事のたびに義歯についた細菌も一緒に食べることになり、全身の抵抗力が低下している高齢の要介護者の方にとっては誤嚥性肺炎等の原因にもなります。外出先での食事などですぐに歯を磨けないこともあるとは思いますが、自宅での食事の後は、義歯を外して洗浄する習慣を付けましょう。
義歯の清掃方法
1.道具を準備します。
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- 義歯用ブラシ
普通の歯ブラシでも可能ですが、義歯用の歯ブラシの方がコシが強く、毛先も長めで使いやすくなっています。 - 洗面器に水を張る
義歯は落とすと割れてしまいます。陶器の流しに落として破損することが多いので、数センチほど水を張っておきます。 - 中性洗剤
中性洗剤を使わず流水下で清掃するのでも十分ですが、義歯についた食物の油分は中性洗剤を使った方が落としやすくなります。 - 義歯洗浄剤
- 義歯洗浄剤を使用するとブラシだけでは落としきれない細菌やカンジダ菌(カビ)などの真菌を除去できます。
- 義歯保存用の容器(主に就寝時)
- 義歯用ブラシ
2.義歯用ブラシで細部に入り込んだ汚れを落とします。
小さな部分入れ歯でも必ず外してからみがきましょう。流水下で義歯用ブラシを用いて義歯に付いた歯垢を除去します。中性洗剤も使うと、さらに効率よく汚れが落ちます。ゴシゴシと力を入れすぎないよう注意しましょう。人工歯と人工歯の間、金具(クラスプ)の隙間などの汚れの残りやすい部分は丁寧にみがきましょう。なお、義歯の清掃で歯磨き粉を使うことは厳禁です。歯磨き粉には研磨成分が入ってあり、義歯は歯よりも柔らかいアクリリックレジンでできているため、細かい傷がついてしまい、義歯の材質が劣化して割れ易くなります。
歯垢(プラーク)は食べ物と細菌の混ぜ合わさったものです。これは食事直後に付いてしまいます。歯垢が義歯に付いたままにしておくと、歯垢の上に歯垢が重なり、細菌が繁殖します。繁殖した細菌は口臭や歯周病、う蝕(虫歯)の原因になります。
3.洗剤をしっかりすすぐ。
中性洗剤は泡切れもいいので、ブラシで洗いながらすすぎます。
4.水中に保管する。(義歯洗浄剤を使う。)
就寝時には乾燥しないよう、水中で保管します。乾燥させると、義歯に歪みが生じ、顎に合わなくなったり、ひびが入る原因にもなります。同じく変形の原因となるため、熱湯を使うことは厳禁です。水を使います。水は毎回交換してください。義歯用洗浄剤を使用する場合はこのときに使います。
粘膜面の血流が阻害されるため、義歯を装着したまま就寝しないでください。(歯科医師の指示がある場合を除く)
5.保管した後に使用する際は、流水下で義歯用ブラシを用いて浮き上がった汚れと義歯洗浄剤を洗い流します。
最後に、当たって痛む、外れやすい等の入れ歯の調子が悪い場合は早めに歯科医院を受診しましょう。ヒビがあった場合も早めに受診しましょう。より健康で豊かな生活の手助けができれば幸いです。よろしくお願いいたします。