南千住のリバーハープタワー歯科(歯医者)です。一般、矯正、インプラント、歯周病治療、小児、予防等の歯科治療を行っています。

  • 電話番号

    診療時間 / 午前10:00-13:00 午後14:30-19:00

歯科に関する豆知識

フッ素入り歯磨き剤の効果を最大限に引き出すには?

2022.10.09

フッ素がむし歯予防に効果があることは、皆様ご承知のことと思います。フッ素入り歯磨き剤のむし歯予防のメカニズムは、使用後に歯面、プラーク、粘膜、唾液などに保持されたフッ化物イオンによる再石灰化と酸産生抑制効果にあります。ところが、その効果は、フッ素濃度や使用量、使用頻度や使用時間、すすぎ方によって大きく左右されます。今回は、これらの要因について詳しくお話したいと思います。

①フッ素濃度

フッ素入り歯磨き剤のむし歯予防効果は、第一にフッ素濃度に依存しています。1000ppm以上のフッ素濃度では、500ppm高くなるごとにむし歯予防効果が6%上昇することが知られています。また、500ppm未満のフッ素濃度では、むし歯予防の有効性が明らかにされていません。ちなみに、スウェーデンでは歯の萌出直後~6歳未満には1000ppm、6歳以上には1500ppmを推奨しています。

歯磨き剤の種類とフッ素濃度

②歯磨き剤の使用量

多くの研究では、フッ素入り歯磨き剤の使用量が多いと唾液中のフッ素濃度が増加することが示されています。このため、ブラッシング後の口腔内のフッ素濃度を上げるためには、15歳以上では歯ブラシの毛先上に1500ppmの歯磨き剤約2cmを乗せてブラッシングすることをお勧めします。また、小児の場合は歯磨き剤を飲み込み易いため、歯の萌出直後~2歳では,500ppmを乳幼児の小指程度、3~5歳では500ppmを5mm程度、6~14歳では、1000ppmを1cm程度使用するとよいでしょう。

年齢別フッ素濃度と使用量

③ブラッシング時間と頻度

一般的に2分間のブラッシングが推奨されていますが、平均では45秒位しかブラッシングしていないとの報告があります。2分間の方が45秒と比較してエナメル質の再石灰化とエナメル質へのフッ素の取り込みが増加します。頻度としては1日2回で十分です。また、ブラッシング後2時間は飲食しないことが望ましいですね。

④すすぎ方

すすぎ方、特に水の量がフッ素入り歯磨き剤のむし歯予防効果に影響を与えます。少量の水で1回だけのすすぎをお勧めします。そうすることでフッ素が口腔内に残りやすくなり予防効果も高くなります。

最後に、ブラッシングは1日2回、歯磨き剤の量は2cm(15歳以上)、ブラッシング時間は2分間、ブラッシング後は2時間飲食しない。2+2+2+2を心がけて日々のブラッシングを行いましょう。

 

 

参考文献 日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会(編)、う蝕予防の実際フッ化物局所応用マニュアル、歯科衛生士 July 2021 vol.45